アンディーさんの旅日記「ウースター」
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“ウースター”

  1999年 9月19日(日) イギリス ウースターにて

  昨晩、あれだけ騒ぎまくって飲んだ後に、私の部屋でコイコイ(花札)
勝負をいっしょに出張に来ているI氏とやったのに、今朝は意外と早く目が覚めてしまった。
昨日の勝負の1勝2敗は、くやしーーい!

  今日は、ビートルズの発祥の地として有名になった、リバープールに車で観光に行こうと思っている。
朝食まで少し時間があるので、テレビをつけながら、ゲームボーイのドラクエモンスターズをやって、
時間をつぶした。
イギリスに来て、このホテルで3週間目を迎え、勝手は十分わかっている。
I氏は、隣の部屋で、今起きたようだ。

  彼は、無類のパソコン通で、仕事もソフトウエアーを担当している。
顔立ちは、ゲタのような四角顔、色黒、濃ヒゲ(きれいに剃っても)で、歳よりも相当老けてみえる。
英語力は、私よりも上で(私のレベルが低すぎる)婿養子に行った、やさしい性格のやつだ。
しかも、私の大学の後輩でもあり、エリートばく進中の優秀エンジニアだ。
8時半になったので、2階の食堂に向かう。行く途中で、I氏の部屋をノックし、
“先に、下にいるぞ!”と声をかける。“はーい!”

  世界的に有名な、イングリッシュブレックファーストも、さすがに飽きてきた。
いわゆるバイキングスタイルで、めっちゃ塩辛いベーコン、ソーセージ、マッシュルーム、
目玉焼き、ホーレンソウ、ハム、それと、ちょとした果物にトースト、ロールパン、
コーンフレーク、ヨーグルト等、結構種類があるが、こう毎日同じメニューだといやんなってくる。
コーヒーを頼んで、トーストに目玉焼きをはさんで食べるのが、ここ毎日続いている。

  そうこうすると、I氏がやってくる。
“おはよう! 今日は天気もいいし、絶好の観光日和!”

  朝食を済ませ、着替えてからホテルの駐車場へ向かう。
“おーーさぶー!長袖借りて正解!まだ、9月というのに”
私は、半袖しか持ってきてなかったので、I氏にウインドブレーカを借りていたのだ。
“出発進行!一路ビートルズ発祥の地、リバープールへ”I氏の運転で、車を動かした。

  イギリスの車は、キーが必ず2種類ある。トランク用と運転用である。
運転は、日本と同じ左側通行のため、しやすい。違うところは、交差点の入りかたである。
イギリスの交差点は、ランナバウトと言って、交差点の中央に、丸い円状の進入禁止区域があり、
車はその周りを一方向にまわりながら直進、右左折をするのである。
どこで、曲がっていいかわからない時は一生周っていてもよい。(そんなやつ、いるわけないが・・)
中で周っている車が優先であるため、交差点に入る時は、右側のみ見るだけで、進入することができる。
日本人は、どうしても左右を見て、確認してしまうが・・。(日本式)

  高速道路に入った。
ここから、リバープールの出口まで、約2時間半のドライブだ。
途中で、工業の大都市バーミンガムを通り越すと、周りは、一面の羊牧場ののどかな風景が、ずーと続く。
かと言って、イギリスの羊料理がおいしいわけではない。
というか、イギリスでは何を食べても、“これはうまい!”と言う料理はない。
昼飯によく食べるフィッシュアンドチップスは、淡白な魚を変な油で揚げて終わり、と言う感じで、
店独特の味付けとか隠し味などの、こだわりがイギリス人には全くない。
高級レストランに行っても同じで、価格だけが高い。
店屋に対する味の欲が全くない。だから、あそこの店屋の何々が安くて、うまい!
というような行列ができるほどの店は、イギリスでは聞いたことがない。
雰囲気とかが評判の店で、並んでいるところはあるが・・・。

やはり、最もおいしいのは、会社の社員食堂で昼食に出る、日本食の
カツ丼、天丼、焼き肉定食、味ごはんだ!イギリス人もみんな食べているのだ。

ところが、ビールとスコッチ等の酒類は、大変おいしいから不思議だ。
イギリスのレストランには、入り口の近くに、必ずと言っていいほどカウンターバーがある。
そこで、食事をする前に、酒を、立って何杯も飲みながら盛り上がったところで、テーブルに移り、
食事が始まる。
カウンターでのお酒は、その都度現金にて支払い、一人づつ、順番に全員のお酒をおごりまわすのが、
イギリス流である。

  高速道路に入ってから、1時間20分、ちょうど中間地点まで来た。
しばし、ドライブインで休憩!たばこをふかしながら、ジュースを飲む。
“よーし!ここから一気に行くぞー”

  今回、I氏は出張前に国際免許を取得して、こちらに来たが、私は、
仕事でぎりぎりまでせっぱ詰まっていて、そんな暇がなかった!
ラッキー!! 運転は、全部おまかーせ! でも、居眠りってわけには・・。
休憩からは、何かあっという間についた感じ。
リバープールのCENTERの標識に従って、高速道路を下りる。
もちろん、高速料金無しのフリー。

“意外とひらけた都会の街だなあ!!"
“昔は、大変にぎわった港街で、今はさびれていると、みんな言ってたけどそんなことぜんぜん違う。
ウースター(私のイギリス工場がある街)よりも、はるかに都会だ!”
“車に気をつけろって脅されたけど、大丈夫そう”
普通の人が、いっぱい道にあふれて、歩いている。
車を、鉄道の駅のまん前の駐車場に停める。
“ここからは、歩きだ!”

  ガイドブックも何も持っていないので、まずは、“i”のマークの観光センターを探す。
日曜日とあって、すごい人だ。観光センターは、すぐに見つかり、早速、観光地図を買う。

“腹が減ったで、めし食うぞー!!”
バーガキングでダブルワッパーを食べながら、観光地図でビートルズのゆかりのところを探す。
“ ようわからん地図やなあ!”と言いながら、すごい人並みの中心街を歩く。
ちょうど中央に、広場みたいなところがあって、ここを目印に行動開始!

“どこを探してるんだい?”と英語で、背の高いアントニオ猪木みたいな、イギリス人に声をかけられた。
“ここへ行きたいんだけど、わからなくって!”
“この地図を見な!そこの道を右へ曲がって・・・・・!”
アントニオが親切に教えてくれる。

  この親切さに甘んじてると、この地図を高く売り付けられるぞー!と思いつつ、
“サンキュー!、サンキュー!”と言って立ち去ろうとすると
“これ持ってけ!”とアントニオが差し出す。“ほらきた!!”
しょうがないから、“HOW MUCH?”と聞くと、“NO THANK YOU! PLEASE!”
先ほどの、悪言は撤回だ!
どうも、この人たちは、ボランチアで観光客らしき人に声をかけては、
いろいろと親切に教えてくれる、大変いい人たちだった。

  アントニオに教えられたとうりに歩くと、さっきまでの人混みが切れた。
ビートルズ通りと呼ばれる道には、意外と人が少ない。
彼らがライブをやっていた店屋は、いまだ健在で無名のミュージシャンの看板が立ち並ぶ。
ジョンレノンの何かのアルバムに載っている場所もあった。

  その奥に、小さなビートルズショップがあり、中に入ってみると、すごい数のビートルズグッズがあった。
ここで、Tシャツを2枚ほど買う。
ここの、ビートルズ通りは、思ったほどハデに、ビートルズを宣伝しておらず、さりげなくって感じだった。

“ビートルズ博物館のあるドッグ(船着き場)へ行こう!”
ドックまでは、街の中心部から歩いて15分くらい。
結構広い公園を抜けると、目の前に海がパーと広がる。
正面にドックが見える。
ドックの周りを、コの字形に囲むようにいろんな店屋が、並んでおり、その角に、ビートルズ博物館がある。
近くまで来ると、ビートルズの歌が聞こえてきた。階段を下りた、そこにあった。
ここは、観光客が結構いる。

  中には、60年代の先ほどのビートルズ通りの再現セットや、生い立ち、歴史、写真、ライブのビデオ等
ビートルズファンにとっては、たまらないって感じのものが、たくさんあった。
中でも、ジョンレノンが殺された時の写真やお墓のレプリカ等を見ると胸がジーーン!と来るものがあった。
平和をこよなく愛したジョンレノンが生きていれば、もっと心打たれるいい歌がたくさん聞けただろうに・・・・。
ここでは、もっと、いろんなことが頭をよぎっていたが、うまく言葉に表せないのが残念である。
(自分の若い青春の頃が・・・)

  このあと、ドッグ周りの店屋を見たが、ビートルズグッズよりも、サッカーチームグッズの方が
たくさんあることに、驚いた。
特に、マンチェスターユナイテッドなんかは、日本で言うジャイアンツみたいなもので、
子供たちはかりでなく、大人まではこのチームのユニホーム着てるほどの人気だ。
(胸に“SHARP”と書かれた黄色いやつ)
イギリス人のサッカー熱は、大変なもんだ。(F1と同様)

  私とI氏は、ゆかりのリバープールに、期待以上に十分満足して、帰路のドライブについた。

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