アンディーさんの旅日記「銀川到着初日」





“銀川 初日”

  5月13日 (土) 中国銀川での初夜 ホテルにて

  名古屋から上海行の飛行機に乗って、2時間半上海に到着。
ゲートを通り過ぎると、すぐさま、我々に話しかけてくる人が寄ってくる。

ホテルは?タクシーは?どこへ?日本人の金目当ての客引きだ!

彼らを無視しながら、とりあえず国内線に荷物を持って移動。
町の様子は、ひらがなが見当たらないだけで日本と何ら変わり映えしない。

“ここで、5時間待つのか!”同行のN氏が言った。
私は、暇つぶしに持ってきたゲームボーイを、バックから取り出した。

  N氏は、待合ロビー周辺を探索。
のどがかわいたといって、出店のチェリーと烏龍茶を私の分まで買ってきてくれた。
持っていたアメリカ$で全部で2$、チェリーは2人で食い切れないほどあったが、
すっぱくてとてもおいしいとはいえない。
私もそれをつまみながら、ゴルフに熱中!!
やったー!!ホールインワン!賞金100万円!
(ゲームの中の話である。)

  やっと、銀川空港到着のアナウンスが機内に入り、高度を少しずつ落とす。
雲で見えなかった陸地の様子がはっきり見えてきた。
一面、うす茶色の大地で、周りに山一つ見えない。
砂漠だ!景色がほとんど変わらないうちに、着陸してしまった。
砂漠の中にある飛行場に違いない。

  到着ゲートには、現地赴任者のU氏が手を振っている。
荷物を車に乗せ、とおり一遍の挨拶をして車が動き出した。
銀川の町までは40分くらいだそうだ。

  町まで直通の高速道路は、大変きれいで、車も極端に少ない。
その代わり、農耕用のトラクターや馬車がこの道を走っているのを見かけた。
歩行者も、わがもの顔で高速道路を横断している。
クラクションをひっきりなしに鳴らして、まっすぐな道を車は突き進んでゆく。

  黄河にさしかかったところで、“せっかく来たんだから、こっちへ連れてやって”
とU氏が運転手に指示。

どこへつれていくのだろう…?。

黄河の橋を渡らずに、川沿いをひたすら走る。
途中で、自転車に乗ったアベックを1組見ただけで、人も民家もほとんどない。

  車が、急に速度をゆるめ、大きな土の壁の前でとまった。
道を垂直に横切って、そこに車の通れるだけの穴があいている。 なんだ,これは!!
N氏がU氏にたずねると、これがあの有名な万里の長城だ!!とU氏が答える。
へぇ−!!何の変哲も無い土を持っただけの壁だが、
よく見るとずーとはるか先まで、続いているのがわかる。

  万里の長城は石垣でかこまれ、上に道まであるものだと思いがちだが、
それはよほど侵略上重要なところで、このように土を持っただけのところも大変多いようだ。
何百年も前のものが、何も細工もせず、壊さず、さりげなく今まであるのは、
さすが中国ならではである。
歴史とは、本来そんなものかもしれない。

  さらに車を進めると、今度は小高い丘を延々と上ってゆく。

斜めの砂地の土地に、モンゴルの人たちが住む、丸いテント張りの家が立ち並び、
その奥に小さな、やはりテント張りの家が数多く建てられている。
“あれは、接客用の部屋で、中にカラオケある、いわゆるカラオケボックスだ”とU氏が言う。

へぇーーー!何とアンバランスな!(笑)

よーし!なら行ってみようか!

車をとめて、すなを固めた階段を上る。
モンゴルおばちゃんが、なんじゃい!と言う顔でこちらをうかがう。
ちょっと、見せて〜〜。
U氏が、身振り手振りで会話!
モンゴルテントに案内され、中に入る。
なるほど、すごいカラオケセットがおいてある。

何かたのむか?  って言うような事をいっている。
ビール!(ビジョ!)
ビールが出てくる前に、カラオケを見てみる。
ビデオCDが質が悪く、途中で何度も静止する。
歌詞も、中国語とモンゴル語の2ヶ国語カラオケ!
こんなもん、歌えるか!テントのなかは、大変暑い!
普通は、夜にカラオケをするみたいだが,
どう考えても、繁盛しているとは思えない。

  ビールと女性が3人ぐらいやってきた。
ゲー!  化粧のきついモンゴルおばさん軍団。おせじにも、きれいとは言えない。
ビールを、わけのわからない茶碗みたいなものに、ついでいる。
カンパーイ!  ゲゲー!生あったかい!
(この時は、中国の飲み物を冷やさない習慣は知らない)
U氏も、実際にはいったのははじめてみたいで、我々に気を使っている。
これも、勉強! 勉強!

  そうそうに、立ち去って車に乗り込んだ。(180元もとられて、U氏は怒っている)
やっと、丘の頂上まで着き、車を止める。

  車から降りて、絶句! すごい!!すばらしい!
目の前180度の視界全部が、草木が全くない、延々と続く広大な砂漠。
これが、飛行機から見渡したあの砂漠か!?
その真ん中を、まっすぐ通る道。遠く先がかすんで見える。

しかも、反対側の視界180度は、黄河がはるか下に見える、緑豊かな美しい景色!
“リトルグランドキャニオンだ!”とU氏が言う。どうやら、彼だけが呼んでいる名前らしい。
中国の雄大さを、いきなり満喫して黄河を渡り、一路ホテルへ。

  さあ、明日から新天地 中国でがんばるぞー!!

この後、さらに中国の素晴らしさに魅了されようとは、この時は知るよしもなし。


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