アンディーさんの旅日記「オープニング式典」




“オープニング式典”

  5月28日(日) 快晴 銀川にて

  いよいよ、今日は我社の中国工場のグランドオープニングの日だ。
いつものように、会社へ出勤する車の中。しかし、街の様子はいつもと違う。
それにしても、眠い!まだ、6時半だ。いつもより、1時間以上は早い。

  車の中では、昨日の新聞に我社の今日のオープニングの記事が、ページ全部を使って、
掲載されていた話題に盛り上がっている。
仕事仲間のN氏は、記事の内容が、中国語で理解できなくても、
なぜか声高らかに興奮している。

  大通りを右折すると、会社の前の道に続く。
“何だ、これは!”とN氏が指をさした。
道幅、30メートルはある道路に、でっかいのぼりが渡してある。
しかも、10メータおきに何本も!もちろん、中国語で書いてある。
“祝 **会社新設/寧夏省より歓迎”というような意味であろう。

  会社の前についた。“なんじゃー!”またも、N氏が叫ぶ。
門の前に、浮き輪を半分に切った形の巨大な真っ赤な式典用の門。
カラフルな どでかいアドバルーンが上がり、工場の屋根から大きな垂れ幕が、
何本も掲げられている。
アピタか百貨店の新築オープンか!
なにしろ、どはでな中国式装飾である。

  式典は、門の前真っ赤なじゅうたんを敷き詰めて、会場設置済み。
式典準備の真っ最中で、これまた真っ赤なチャイナドレスをまとった、長身の中国美人が、
腰付近まで割れたスリットをちらちらさせながら、準備にせいいっぱい。
男どもは、みんな鼻の下を長くしている。
よく見ると、我社の女性社員も混ざっている。へェーーー!
チャイナドレスは魔物のようだ!
私も、いっぺんまとって魔物になってみたいィーー!?? バカッ!!

  準備完了だ!政府要人来社の連絡あり。会社までの道はすべてSPによって封鎖、
もちろん、信号なんかは関係ない。
何台ものミニバスがやってきて、その内の1台が玄関横着け!
警備上、どのバスに乗っているかわからないようにするためだ。
バスのドアが開き、寧夏省の主席が降りてきた。

拍手、大歓声だ!中国鼓笛隊と中国太鼓の軍団が、歓迎の歓迎の大演奏!
長さが5メータ以上はある、機関銃の弾みたいな爆竹の束が、延々荒れ狂う。
いつのまにか、やじ馬や招待客、お客様が門の前の道の両側に、ひしめき合っている。
何というど派手さ!! これが、中国式か!!

  式典がスタートする。次々に、祝いのあいさつが続く。
日本人も同時通訳で・・・。
中国式の祝あいさつのパターンは、最初に“尊敬する**様”
と延々とメインの出席者の名前を、一人ずつ言ってから本題へ!
やはり、中国語はアクセントとめりはりがあり、中国人特有の気質で、
挨拶にも迫力と真剣さが、意味がわからなくても伝わってくる。
日本人の挨拶は、どことなく形式ばっっていて、大きな違いだ!

<中略>

  午後11時に式典は終わった。始まりのど派手さとは打って変わって、
終わりは静かなものだった。
私は、早々にかたずけを終えて、ホテルに戻った。
その夜のテレビのニュースは、どのチャンネルもこのニュースをトップで放映していた。
社員も、かなりの人がテレビに映っていた。残念ながら・・・。

  やっと、私にとっての中国での、世紀のイベントが終わった。

でも、その数週間後に、もっとすごいイベントがあるとは、この時は知るわけがない。

上へ戻る



[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?! Click Here! 自宅で仕事がしたい人必見! Click Here!]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。 ]


FC2 キャッシング 出会い 無料アクセス解析