アンディーさんの旅日記「西安に向けて」





“銀川”→“西安”

  6月2日(金) 雨 西安初日ホテルにて

  今日は、西安観光だ。銀川に来て、初の遠出の2泊3日の旅行。
嬉しいなあーー! とついつい、いつもよりも早く目が覚めてしまった。
早々と、ホテルの1階へ、朝食を食べに行くと、同じような仲間たちが既に食べていた。

“おはよう!、集合は8時半だったよね?”とN氏が昨日買ったばかりの
ローレックス(?)の時計(230元で買った)をキラッ!と輝かせながら言った。
早々にいつもの朝食を終えて、部屋に戻る。

  まだ、ロビーへの集合時間まで時間があるので、ゲームボーイで遊ぶ。
“マリオゴルフ”は全クリしてしまっているので、“ドラクエT・U”をやる。
“んーーー!どうやって進むのか、わかんなーーい!”
中国まで来て、ゲームのなぞ解きに悩む自分であった。

  ロビーには、すでに全員が集まっていて、旅行代理店の人と話をしている。
全員が、旅行代金2600元(2泊3日)を支払った後、チャーターされたバスに乗り込み、
いざ銀川飛行場へ。

  約40分で、飛行場に到着。天気は曇ってて、あまり良くない。
チェックインを済ませ、国内線の空港利用税50元を支払い、サテライトに入る。

  中国人が、飛行機をほとんど利用しない理由に、この空港利用税がある。
飛行機料金が高いばかりでなく、乗る度に、この空港利用税を払わなければならない。
国内線で、1回50元というのは、中国人にとっては、とんでもなく高いもの。
国際線だと90元である。

  名古屋空港は、今年リニューアルしたが、利用税は無し。
関空は、2−3000円払わなければと聞いているが・・・。

  約1時間で西安空港に到着。
“あれーー! 雨だ!!”
そう! 霧雨状の雨が降っている。
ここで、西安観光の案内をしてくれる、劉さんに会い、仲間全員で挨拶!
(きれいな中国美人の予想に反して、みんなガックリ!!)

“あれーー!一人足りないぞー。 だれだーー!”
最年長の世話役のF氏が、再度確認している。
“やっぱ、S氏だー!どこへ行きやがった!”

  このS氏は、超変わっている動物好きのやつで、今回、西安旅行に連れて行くにあたって、
U氏より、監視を絶対に怠るべきでない人物として、F氏に念押しをされている。
S氏は、今回の海外出張は、全くの処女やぶりで、国内でもほとんど出張したことがない。
なんで、中国出張に選ばれたのか、S氏をよく知っているU氏は、不思議と思うだけでなく、
来てからめんどうがおきなければと、懇願していた。

  銀川空港で、最初にS氏を出迎えたU氏は、唖然としたそうな!
会社の作業服と作業ズボンにネクタイを締め、安全作業靴をはいて飛行機に乗ってきたのだ。
“おまえ、この格好で飛行機乗って来たんか?”とU氏が言うと、
“はい、私服あんまり無いもんで・・・!”とひょうひょうに答えたそうな。
事実、日本でも会社と寮の間を行き来するだけなので、
作業服姿以外のS氏を見る人は極端に少ない。
まさに、ネクタイ以外は、そのままの格好だった。(信じられない−−−!)

  がばんに持ってきた履き物は、ぞうりとゲタ、服類はジーパンとTシャツ2-3枚。
S氏は、会社(日本)でも、1年中(真冬でも)半袖の作業服で、
セータとか防寒服を持っていない。
普通では、信じがたいことだが、紛れも無い事実で有る。
U氏が心配するのも、無理はない。

“S氏を見つけたぞーー!!勝手にトイレに行ってやがる!!”
“おい!ちゃんと誰かに言ってから、トイレ行けよ!”F氏が怒鳴り散らす。
それに、全く動じないのも、さすが鈴本である。

  飛行場から西安市街地まで、約1時間。
バスの両側に見える景色は、麦畑かザクロ果樹園、その向こうに、
古墳らしき土の盛り上がった小さな丘陵地がいたるところに見える。

  ガイドの劉さんは、流ちょうな日本語で、西安の事を説明している。
天気は、今日明日は、雨らしい。しかも、おとといから降り始めて、
3日以上雨が続くことは、西安でもめずらしいことみたいだ。
全く雨の降らない銀川とはやはり違っている。

  西安市内に近づいてくると、急に車が増えてくる。
西安市街地は、四方を城壁に囲まれた、城塞都市である。
中国で、今もなお残されている城壁では、最も保存状態のよいものらしい。
城壁には、東西南北4つの城門があり、そこをくぐらないと、場内に入れない。
(実際には、城門以外にも入り込める道はある)

城門の手前で、やはりすごい渋滞。やっとこさ、バスが中に入ると、
車の量は銀川に比べてはるかに多い。
建物も、近代的なものがたくさん立ち並び、日本で言うと、地方都市から
東京や大阪にきた印象に近い。

“やっぱり、西安は大都会だなあ!”
シルクロードのスタート地点として、古くからある有名な街で、
中国の名だたる王朝が都とし旧名“長安”である。
車がいっぱい、人いっぱいでも、マナーの悪さは中国どこでも同じ。ただ、市街地には、
銀川ほど自転車は多くなく、そのかわりに、オートバイが非常に多いように思われる。

  やっと、西安最初の観光場所の、陝西省歴史博物館に着いた。
この博物館は、最近新しく大きくなったようで、西安周囲付近の主な遺産や遺物がここに、
結構集結してきたみたいだ。
中の見学コースは、中国歴史の古い順に見れるようになっており、どの王朝がどの時代で、
どちらが古くて新しいのかわからない。
我々にとっては、大変勉強になって、より、これからの歴史遺跡の観光を、
楽しくできる物だということを後で知った。

  北京原人の時代から始まって、周→秦→前後漢→隋→唐→宋→それ以降(元、明、清等)
と 見学エリアが進んでいく。
やはり、中国が世界の中心となっていたのは、チンギスハン(元)に侵略される宋まで
1200年ぐらいであろう。
展示エリアも、宋からあとは、その他大勢というような展示のしかたであった。

  ここでは、最初ということもあって、展示物の内容よりも、聞いたことの有る人物
(三蔵法師、始皇帝、武帝、楊貴妃、玄宗皇帝、阿部仲麻呂等)がどの時代の人で、
どのように王朝が変わり、文化が発展していったかを、再認識できたことが、
最大の収穫であった。
また、この時代での中国の歴史と位置付けが、世界の中心であったことを、
中国人は、誇りに 思っていることが、
十分感じられるとこでもあった。唐三彩という陶器の有名な焼きかたも、ここで知った。

  次に向かったのが、大雁塔である。西安には、大小2つの塔があり、
大雁塔、小雁塔と呼んでいる。
大雁塔の前で、バスを降りると、手にたくさんの土産物、筆、観光パンフ、ひざ掛け、
スカーフ等をを持ったおばちゃんたちに、即座に囲まれる。

“これ、3つで、日本円で1000円!1000円!安いよ!安いよ!”と日本語での押売りだ。
F氏は、4人ぐらいのおばちゃんに囲まれて、人気者!
買うつもりも無いのに、べらべらどうのこうのと、しゃべっている。
“こんなん、高すぎる!高すぎる!”と応酬。
そうすると、さっきまで3つで1000円(雁の小さな置物)だったのが、
個数が5個、7個、10個と、どんどん増えていく。

  そうこう言ってるうちに、チケットをもらって中へ入る。
大雁塔は、土色の土(?)でできた塔で、日本の7重の塔っていう感じ。
下から見上げると、結構高い。
大雁塔の名前の由来は、どこかの偉い人が砂漠で方向を失い、遭難寸前だったところで、
数匹の雁が、その行くべき方向に導いてくれたそうな。
それは、仏様の導きと信じたその偉い人が、感謝とその道標の安全を祈って、
建立したとガイドさんは、説明してました。
ほーー!なるほど、なるほど、中国らしい!

  大雁塔の中に入ってみた。中央に10畳ぐらいのエリアがあり、それを中心に、
十文字に通路がある。
上に登る階段は、大変狭くて、めっちゃ急だ!一番上まで登るのは、結構息が切れる。
各階の十文字通路の先から、外の景色が見渡せる。
最上階から、見た西安市内の景色は、大変興味深い。
近代的な建物と古い遺跡やお寺の建物のアンバランスさが何ともいえない。
周りを囲んでいる城壁が、くっきり浮かんでいる。

“ま、まてよ!どこかの景色に似てるなあ!” そう、京都タワーからの京都市内の景色だ。

  息を切らして、お降りてきてひと休み。
門を出ると、先ほどF氏としゃべっていたおばちゃんが、ニコッとして近づいてきた。
今度は、大きな袋を持っている。“これだけで、1000円! 大変安い!安い!”
F氏もさすが困っている。
15個は袋に入っている。そのまま、しゃべりながらバスへ歩いてゆくと、
さらに2個、3個と 袋に入れている。
“これだけで、1000円! 大変安い!安い!”の連発!!
実は、F氏は、日本円をバスにおいてあるバッグに入れてあって、今は持っていないのである。
説明しても、全く通じていない。
さらに、おばちゃんは何個か袋に入れようとするが、もういっぱいで、
袋からぼろぼろ落ちている。

  バスに乗り込んだF氏は、さすがに根負けしたらしく、バッグから1000円を出して、
バスから降りたが、おばちゃんは、だめだとあきらめたようで、どっかへ行ってしまっていた。
バスに戻ってきたF氏は、
“せっかく、1000円持ってたのに! それにしても、すごい数だったぜ!25個はあった!”
“惜しいことをしたなあ!でも、あんなに増えるか!よっぽど日本円がほしいんだな!”
とバスの中は、この話でもちきりである。

  本日最後の観光場所は、青龍寺である。

  青龍寺は、西安の市街地から、すこし離れた丘陵地の上にある物静かなお寺である。
日本人の空海が修行したと言う、日本人には縁の深いところである。
中に入ると、いかにも日本的な風情が、盛り込まれた庭作りである。
ほとんど、観光客は いなくて、しーんとしている。

“静かさや、寺にしみ入る、我らの声”(字余り俳句) 松尾武蕉 ムー!我ながら秀作。

  庭には、何本かの桜の木が植えてあった。日本から持ってきて、植林したそうだ。
庭の向こうには、西安の市街地が、眼下に望める。
“ここは、落ち着けそうなお寺でんな”

  庭園をぐるっと周った奥に、本殿がある。人は、誰もいない。
中国語で書かれた、巻き物みたいなものが、たくさん飾られている。
その奥に、ちょっとした土産物屋がある。
どうやら、この青龍寺には、ここにある店屋が 唯一みたいだ。
おっさんが、日本語でしきりに、スズリ、巻き物類を薦めているが、
目にとまる物は有りそうに無い。
ただ、お参り記念の記帳があったので、それに記入。
書かれてあるのは、99%日本人で、日本語で書いてあった。
こういうのに、すぐ記帳するのは日本人の風習であろうか?

  青龍寺を出て、夕食場所に向かう。
今日は、いろんな種類のギョーザが、食べれる店屋と聞いた。
別に、西安が餃子で有名なところでは、ないらしいが、日本人が好むと言うことで
観光都市には、結構有って、はやっている。
この店も、その一つだ。

  夕食場所には、20分くらいで到着。けっこう、大きな店で、3階建てのビルディング。
その2階が、レストランで、丸いテーブルが、たくさん並んでいた(ほとんど予約席)。
我々は、個室の中に入った。まずは、ビールで乾杯!
中国内であれば、どこでも飲むことのできる、青島ビールで、いつも飲んでいる西夏ビールは、
当然置いていない。

“さあ! 餃子食うぞーー!”
最初のころは、色は白いが、中身が違う物がどんどん出てくる。出す度に、
これは、なになにって説明しているが、みんな、うまい、うまいの連発で
ほとんどその違いを、わかっていない。
途中から、緑、赤、黄色の色とりどりの餃子が出てくる。
単なる、餃子の皮の色の違いかも知れないが、視覚も味のうちでおもしろい。
中に、あんこのような物も入った餃子も出てきた。これは、餃子と言うかまんじゅうだ!

  最後に出てきたのが、幸運を招く真珠餃子と、呼ぶ物だ。
別に、真珠みたいなきれいな色をしているのではなく、真珠みたいに、
非常にちっちゃい餃子である。
それを、大きなボールに大量のスープといっしょに、混ぜてある。
一人ずつ、目をつぶって、おたまでスープごとすくう。
その中に、真珠餃子がたくさん入っていれば、いいことが有るという。
ところが、人数分の真珠餃子の数しか、入ってないので、たくさんすくったやつは、
みんなの非難轟々!
何のための、幸福を招くなのか、わからない。
味は、別段普通で、最後のイベントみたいなものである。

  食事も、みんな満足し、1階の土産物を少し見てまわって、ホテルへの家路を急いだ。
明日も、がんばって観光だ!

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