アンディーさんの旅日記「西安観光2」





“西安観光2”

  “さー、今度は絶世の美女、楊貴妃を見に行くぞー”

兵馬傭の後は、中国4大美人の裸体をさらした温泉別荘へ、バスを走らせる。

外は、ますます激しく雨が降り出している。

“楊貴妃の温泉別荘のある華清池に、到着しました。”
ガイドさんの案内で、バスを降りると、待ってましたと言わんばかりに
傘を持ったおばちゃんたちが、“カサ40元!40元!”と押し売り攻め。

転んでも、タダでは起きないとは、この事だ!
中国人らしい!いや、日本人らしいと言ったほうが正しいかも・・・。
“買っても、銀川では使い道がないからなあ!”
“おーい!  Mーー?  どこだ!”
“あいつ、また買ってーへんかー?”

  入口から中に入る。
正面に、ちょっとした緑豊かな山が見える。
銀川では、なかなか見ることができない、山の風景だ。
そもそも、銀川のすぐ近くに、ガラン山脈があるが、
ほとんど木の無い岩と土だけの山ばかりだ。
結構高い山もあり、4000メートル以上のもある。

ずーと昔は、緑豊かな山脈であったが、他の国からの侵略を恐れて、
全ての木を焼き払って、植物が生えないようにしたそうな!
なんと言う事を!そのころには、自然保護団体は無かったのか?

  すこし、奥に行くと、いかにも別荘地と思わせるような、
庭園風の大きな池がこさえられていた。

玄宗皇帝が、わざわざ、でき愛する楊貴妃のために、丹精こめて、造ったそうな。
もともと、楊貴妃は、自分の息子の妻であったものを、無理やりぶんどやがった!
いつの時代も、美しい人は、得するようにできている。
近くにあるお店には、楊貴妃の絵が、掛け軸になっている物がたくさん、掲げてあった。

これが、楊貴妃? たいしたことねーな!
2000年前と現在では、美人の査定基準がどうも違うらしい。
アグネスチャンを少し太らせて、顔をふっくらさせた、ちょっとブスって感じかな?
私なら、生きていても、少し遠慮願いたい。

と思いつつ、横でまたM氏が、真剣に掛け軸を見ながら、ボーっとしている。
“これが、楊貴妃でふかあ!? 高貴でおしとやかそうで、ええでんなー!!”
と、わけのわからないことばで、独り言を言っている。
どうも、私とM氏も、査定基準が大幅に違うのは、明白だ!

  いよいよ、楊貴妃風呂。
でっかい建物の中央に、周囲を石で囲まれた、四角い穴が空いている。ふーん。
こんな広いところに、ポツンと湯ぶねが有って、落ち着いて入っておれるのかなあ?
周りは、完全にアッパーッパーだし。
むこうの端で、M氏がにやにやしながら、楊貴妃風呂を直視している。 (・・・を想像・!)

今でも、わずかではあるが、温泉が出ているところがあった。何ともいえない、臭いにおい!
私の小さいころ、バキュームカーが、通り過ぎた後に、
こんな臭いがした懐かしいものであった。

  更に上へ上がっていくと、今度は玄宗皇帝自身の、お風呂があった。
これは、楊貴妃風呂よりかなり大きい。
楊貴妃風呂は、楊貴妃1人だけのために作られた物だが、この玄宗皇帝のお風呂は、
お客さんとか付人とかも、いっしょに入ることのできる、言わば銭湯の様な物だ。
ちゃんと、脱衣場所まで有る。

感心なのは、お湯をいつもきれいに保つために、湧き出た温泉が、
常に流れ込む流水プール方式を採用しているところだ。
建物自体も、楊貴妃風呂よりも、こじんまりしているが、銭湯の大きさからすると、ちょうど良い。
“番台は無いのかな?”と組合長の伊達が言う。

番台っていったら、昔、森光子、堺正章、悠木千帆(樹木希林)、天地真理が出演してた
“おかみさんーん!時間ですよ!”と言う番組があったな!
なんちゅう、古い!! でも、えがったなああああーー!
“番台? そんなもん有るか!!”っと言い返したら、ガイドさんが、
“いや、ちゃんと皇帝を守る人がいる場所は、有るんですよ! ほら!”
いや、そういう意味では・・・・・・!??。

  傘売りばーさんたちの、間をまたくぐり抜けて、バスへ戻る。
“傘、要らんかへー!、10元、10元”
“なに?、10元!、さっきまで40元って言ってたくせに・・・”

  バスに乗り込み、いざ次なる場所へ。
“はーい! ここで、一度休憩しまーす。”
“お土産買う人、お茶を飲む人は下りてください”とガイドが言った。

  門から、休憩所の中に入ると、奥に席が置いてある大きな部屋があって、
そこに、チャイナドレスを着た、きれいなおねーちゃんが、たくさんいた。
中国人の付添いに、何をするところか聞いてみると、どうも、中国風のお茶の立てかたと
飲みかたの、実演をしてくれるそうだ。
もちろん、試飲もできると聞いて、早速中へ入って席に着いた。

  おねいちゃんの中で、最も美人なすらっとした、チャイナドレス美人が
お茶ときゅうすを持って、前に座った。
“おー!えらいべっぴんさんじゃ、ないか! おい、I氏、お前の好みのタイプじゃねーか!!”
さすが、年のコウのF氏!I氏の普段の行動をちゃんと察知把握している。
“まったく、そのとおり!これは、彼女のまん前に座らんと”と言って、I氏はすかさず、移動!
“やっぱり、こういう典型的な中国美人を、日本に連れてかえりたいなあ!
まだ、ピチピチの若さだし・・・<中略>”I氏は、一人でしゃべりながら、彼女を見つめている。

  I氏は、30も半ばの手前であるが、まだ独身である。
見た目は、我々男から見ても今風のカッコイイタイプ。
でも、相当理想が高いみたいで、なかなか自分の気に入る女性に、巡り会えないみたいだ。
今それが、実現という感じである。

  その、女の子も我々の日本語の会話を、わかってか、わかってないか、ケラケラ笑っている。
“おいおい!待てよーーー???”とF氏がつぶやいた瞬間、彼女が
“みなさん!こんにちは! 私は、西安大学で日本語を勉強・・・・・・・!”
“ええええええ!!!!!”全員が歓声!!

そうです。彼女は我々の会話を、完全にわかっていたのでした。周りにいる人も、
みんな日本語を勉強している、大学生ばかり!
“おーい!I氏!!”
I氏は、顔中真っ赤になって、声を完全に失っている。
“やっぱり、なんか彼女の顔を見てたら、わかっていそうな気がしたんだ!”
と、F氏が笑っている。

彼女に、本当の中国のお茶の作法の実演と、試飲を4種類ぐらいした。
1時間半ぐらいで終わり、みんなその試飲したお茶を購入していた。
I氏が、あれ以降一言も言葉が出ずにいたのは、言うまでもない。
でも、お茶を山ほど買って、握手と写真をアベックで撮るところなんぞ、ちゃっかりしている。
電話番号も、聞きだそうとしていた。

“いやー!傑作、傑作”と言いながら、またバスに乗り込む。
“次は、碑林博物館へ行きマース!”
15分ぐらいで、目的地に着いてしまった。

  ここは、文字が刻まれた石碑が、たんさん展示されているところだ。
高さ2−3メータはあるような巨大な石に、丹精に文字が刻まれている。
黒い石、灰色の石、白い石、茶色い石、赤い石、黄色い石、金色の石等いろんな色の石がある。
(赤、黄、金なんか、あるか!!!)
それも、時代によって、いろんな形の文字が・・・。

昔の人は、本当に後世に自分たちの石杖を、残したかったんだな!  と驚嘆!
今、我々は後世に本当に残したいものが、あるのだろうか?!
フロッピーとかCDでは、ダメ!ダメ!
石碑を自動で造る機械でも、作っちゃうようなやり方を、どうしても考えてしまう自分が、
なんとなくむなしい!
これでは、意気込みが伝わるわけないよな!

  一番奥に、この文字を描いた掛け軸が、土産物として売っていた。
何気なしに、単なる印刷コピーだろうと思ったら、これが違うんだなあ!

すぐ隣で、その掛け軸を作っている人がいた。
造り方は、こうである。

  まず、本物の石碑を持ってくる。
その石碑に、特殊なノリみたいなものを塗る。
和紙みたいな紙を、石碑に貼り付ける。
ワックスがけのスポンジみたいな物に、布を巻きつけ、墨みたいなものを、それにつける。
その墨のついた布で、その貼り付けた紙を、上から軽く叩く。
何度も墨をつけながら、それを繰り返す。
石碑が大きいから、1人ははしごに乗りながら、もう一人はその補助をしている。
みるみるうちに、その貼り付けられた紙に、石碑の文字が見事に浮き上がってくる。
完成したら、はがして、それを掛け軸に貼り付けて、出来上がり。

1枚出来上がるまで、約1.5−2.5時間ぐらいかかるそうだ。

そ、そうか! 本物から1枚1枚こうやってつくっている、手作りの本物の写しだ!
さすが、中国らしい歴史を伝えたい気持ちの、表し方に感動!
これを見て、みんなここぞと、その掛け軸を買っていた。

M氏なんか、3つも4つも買い占めていた。さすがに、I氏は、
さっきのお気に入りねいちゃんにそそのかされて、
いっぱいお茶を買い込んだもんで、お金がなく泣いていた。
値段は、一巻き15−35元ぐらい。(値切って)

  みんな、満足して本日の観光を終え、夕食をしてホテルに戻った。

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