アンディーさんの旅日記「番外編ロンドン1」
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“ロンドン その1”

  1999年9月20日(土) 晴れ

  今日は、ロンドンへの観光だ。
私の会社のイギリス現地法人は、ロンドンから約300キロ北西の、ウースターと言う街に位置する。
焼き物の高級陶器で有名なロイヤルウースター社が近くにあり、
日本でもよく知られたウスターソースの名の発祥となったのどかな田舎町である。
ウースター駅のある町の中心はヨーロッパでは、どこの街にでも見られる、高い塔の教会がある
そのちょうど向かい側が、われわれの滞在するホテルである。

  我々とは、9月初めより滞在中のI氏(私の大学の後輩)、M氏(開発部のエライさん)と
私(アンディー)の3人である。
M部長は、あさっての月曜日のフライトで私とI氏を置いてきぼりにして、日本へ帰国である。
いつものように、すでにあきあきしてしまった、イングリッシュブレックファーストで、
トースト、目玉焼きとコーヒーだけをたいらげて、出発を待っている。

  ロンドンまで車で同行してくれるのは、イギリス工場でドクターの称号をもつ3名のうちの1人、
ドクター・ソーさんである。
(他の2人は、現イギリス会社の社長と技術開発部長)この、ソーさんはイギリス人の中でも、
もう超の上に超がつくほどの変わり者である。年の頃は、50歳手前で独身。
(とても、女性には縁のない容姿と振舞い)

頭は、ほとんどツルハゲで、両サイドだけ肩まで着くほどの長髪。ぶあつい黒ぶちめがねをして、
馬ズラの中国人である。どこへ行くにも、ほぼ服装はかわらない。
いつも、ジャージのズボンによれよれのシャツ。

但し、頭はさすがドクターだけあって、めちゃめちゃ記憶力が良くてずば抜けている。
大変めんどうみが良くて、毎朝、会社までの送り迎え、身の生活の事とか町の事など何でも教えてくれる。
まさに、われわれにとっては、ソー様様で、大変感謝してるんです。

  目の前の教会の鐘が、突然鳴り始める。待ち合わせ時間の8時だ!
と言うまもなく、ソーさんが車で横付け。
“モーニング!! ソーさん!!”
“今日は絶好のロンドン観光日和!!”
もち、英語でそれらしく言う。しかし・・・・。
やっぱり、ロンドン行くにも、例のジャージズボンであった。
さーすが! 超大物ドクター!!

  早速車に乗り込んで、出ーーー発!! 進ーーーー行!!
ロンドンまでは、300キロ、高速道路3時間の道のり。
イギリスは日本と同じ左側通行で、違和感はまったく感じない。
ただ、日本と違うのは、市街地以外の交差点には信号がなく、ランナバウトというロータリー式の
交差点があるくらいだ。
最初は、このランナバウトの入り方と言うか、どっち優先かがよくわからなく、とまどっちゃいます。

ロータリーの中を回っている車が最優先で、ロータリーに入るには左折から左へぐるっと回って
直進か右折のため、右側からくるロータリーの中を走っている車だけに、
気をつければいいだけということである。

  高速道路に入ると、ソーさんがロンドンまでの事とか周りの街の事などを、丁寧に説明してくれる。
われわれも、やっとソーさんの英語に馴れてきて、わかるようになったけど、最初のころは、
さっぱりわからんかったなあ!
他のイギリス人に聞いても、“ソーさんの英語は英語でない! ”と言い、イギリス人でも、よくわからんらしい。

  再び、ソーさんの話を、ロンドンに到着するまでするとしよう。
ソーさんは、5年ほどまえに、なんと1軒家を買ったんです。
ちょうど、日本から赴任していた日本人が帰国する事になったんでそれを譲ってもらった家である。
4人家族が住んでいた4ベッドルームの超広ーい家を、独身者1人で住んでいます。

譲った日本人は、今まで使っていた家具や置物を全てその家に置いていったそうです。
そして、ついこないだ、その譲ってあげた日本人がイギリスに出張して、ソーさんに家に招待されたそうです。

その時に、その日本人は、その家の中を見て大変感激したそうです。
なんと、なつかしーーい! これも、あのときの置物、この家具もソファーもそのときのまま、
このキッチンも、テレビも時計も電気も洗濯機もお皿も食器もコップも、あれあれあれあれあれ・・・・・!!

そうです!その日本人が、ソーさんに引き渡した時の状態から全く変わっていないんです。
しかも、置いてある位置でさえに至るまで。
ソーさんがこの家を買ってから、新たに付けたり、模様替えしたりすることは皆無だったそうです。
そりゃー、感激するわ〜!?!?

  もう一つ、ソーさんの面白い話がある。
電気会社からクレームがついたんです。
だって、電気使用量が毎月メーターに現れないんで、本当にこの家に住んでいるのか、
ひょっとすると中で孤独に死んでいるのではないかって、ほんとうに疑われたんです。
ソーさんは、5時半に毎朝出社、8時までは少なくとも会社にいる。もちろん、土曜日もである。

  食事は、朝は無しで昼食を、会社で普通の人の2倍はたべる。
夜は、ビールだけをたらふく飲んでスグ寝る。
要するに、電気を家で使う事はほとんどなし。
家の中の物が、寸分違わずにそのままであることも、これを聞くと納得できる気がする。

  日曜日は、何をしているのかよくわからないが、洗濯ぐらいはしてると思うけどな?
まあ、極端に量は少ないと思うけど・・・。
もう、庭なんか草ぼうぼうの雑木林。隣人の説教をものともせず、そのまんま。
って言うか、ソーさんに顔を合わす機会すらないらしい(ほとんど会社にいる)
最近では、庭が近所の生ゴミ捨て場になっているそうな・・・。

ほんと、悪口でなく、変わった人であるが、われわれテンポラリーの人たちにとっては、
頼り甲斐のある唯一の人で、仕事も通常のイギリス人の倍はこなしてくれる。

  そうこう言っている間に、ロンドン市内に近づいてきた。
今までの田舎景色と打って変わって、住宅とビルが立ち並ぶ。
さすが、ヨーロッパのサテライトとなる大都市である。
市街地に入ると、もう車が多くてそこらじゅうで渋滞、渋滞。

  ロンドン名物の赤い2階建てのロンドンバスと真っ黒のボンネットバンのタクシーがそこら中に目に入る。
ものすごい人並みだ!
まずは、今晩泊まるホテルに直行。散残迷ったあげく、ホテルを見つけるとこれがめっちゃでっかいホテル。
12階建ての、街のど真ん中にある。
チェックインも、勝手の分からない我々を見かねて、ソーさんがいろいろ聞いてくれた。
ほんと、気がよくきくいい人です。(あれだけ、めちゃめちゃ言いながら・・・!!笑)
ソーさんは、泊まらずに、今日の観光案内を終えたら、またゴーバックツーホーム!
ソーさんタフーー!!!!

  ホテルでのチェックインを無事済ませて、早速ロンドン巡りに出発。
まずは、もよりの地下鉄駅まで徒歩。ロンドン市内は、東京の地下鉄よりも整備されており、
網の目のように、そこら中に地下鉄の駅がある。

観光で何度も地下鉄を利用するならば、1日乗車券が大変便利。
早速、駅の窓口で購入。利用範囲によって料金が違うけれどよくわからへんので、中域範囲のを買ってみた。

自動改札機を通って、駅構内にはいる。地下鉄の案内地図を、ホームに設置してある自動販売機で買う。
よくJRのトイレにあるちり紙の自動販売機のような、機械式の旧式のものである。
よく、壊れていて、お金を入れても出てこないやつが多いが、
運良く名刺サイズにきれいに折りたためられた、地下鉄案内地図が出てきた。

ロンドンの地下鉄は、路線と電車が色で完全に区別されていて、大変わかりやすい。
ロンドンでは、地下鉄の事を、サブウェイではなくて、チューブと呼んでいる。
なるほど、電車自体が丸い形になっていて、トンネルの形も円形、まさにチューブ。

  とりあえず、ロンドンにきたら、いの一番に行くと言う、大英博物館へ直行。
私は、以前に1回行った事がある。M部長は2回目、I氏は2回目だが、
I氏以外は、ずいぶん前の事であるために、行く事にした。

大英博物館は、入場料はタダ。
そのかわりに、心ばかりの言わば、おふせを入れる箱があってそこに1ポンド投げ込む。
中で、1時間半後に待ち合わせを決めて、個々に見て回る事にした。

なにしろ、ここは広い、広い。エジプト、メソポタミア、ギリシャ、中国、マヤなどの
世界中から集めたありとあらゆる文化遺跡の数々が、広大な建物の中に展示してある。
石の展示物なんかは、建物自体のとてつもない大きな復元物や、金銀財宝の数々まで
ジャンルを問わずって感じ。
しかも、触れるほどにすぐ近くで見れて、さりげなく展示されている。

  この博物館で最も有名なのは、最も古いといわれる文字が書かれた、ロゼッタストーンである。
この時は、ロゼッタストーン発見何十周年という事で、別の部屋で特別な催しをしていた。
ここだけは、見る為の入場料が必要だった。中へ入ってみると、ロゼッタストーンもどきの物が
いっぱい展示され、その発見から現在に至るまでの経緯と説明が、詳しく書いてあった。
もちろん、英文のためよくわかりましぇーーん。
その中の中央に、ライティングされてケースに入った、いひときわでっかい本家本元のロゼッタストーンが
展示されてあった。

  ひととおり駆け足で見て回ったが、前回来た時の記憶は全くなかった。なにしろ、広すぎて歩きつかれた。
待ち合わせの入り口に戻ると、既にM部長、I氏は私同様疲れ果てて休憩中、ソーさんは、
中を見ずにここで寝ていたそうな。

“あーー、腹へったあ! どっか昼飯食いに行こう”とI氏が言う。
ソーさんが、“中華街へ行ってラーメン食べに行こう”
“へーー!! ロンドンにも中華街があるんだー! 行こ行こ!!”


噂のドクター・ソーさん

********次回へ続く********

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